教員の心の病が過去最多に…教員だけの話じゃないと思っている話

公務員や教職の方の休職者数をご存じでしょうか。昨年末のニュース報道によると、公立学校の教職員のうち、精神疾患を理由に「休職」または「1か月以上の病気休暇」を取得した人が、2024年度に過去最多となり、合計で約1万3千人に上ったそうです。(朝日新聞より)

また、病気を理由に休職している教職員全体の中でも、精神疾患が占める割合は非常に高く、病気休職の中で約7割を超えているとされています。私自身は教員ではありませんが、民間企業においても、メンタル不調を理由に休職したり、働き続けることが難しくなったりするケースは、決して珍しい話ではなくなってきていると感じます。

今回は、なぜメンタル不調による休職者が増えているのか、その背景について、あくまで一個人としての視点になりますが、考えたことをまとめてみたいと思います。

業務の質と量が過多

多くの業種において、仕事の「質」と「量」は年々高くなっているように感じます。その一因として、テクノロジーの発達があると思います。

かつては手紙を書いて時間をかけてやり取りしていたものが、メールになり、今ではチャットツールで即時に返答を求められるようになりました。文章作成や事務作業も、ソフトウェアや生成AIの活用によって効率化が進んでいます。

本来であれば、こうした技術革新によって仕事は楽になるはずですが、実際には「短縮された時間の分だけ、さらに別の仕事が増える」という構造が生まれているように思います。

教職の方であれば、授業だけでなく、生徒対応、保護者対応、事務作業など、多方面にわたる業務を同時に抱えています。これは教職に限らず、あらゆる業種で共通している状況ではないでしょうか。

このように、常に忙しく、質の高い対応を求められる環境では、心に余裕を持つことが難しくなり、ストレスを溜め込みやすくなるのも無理はないと感じます。

精神科・心療内科への通院へのハードルが下がった

メンタル不調による休職者が増えているという事実は、必ずしも「悪いことばかり」ではない側面もあると思います。

以前に比べて、精神的な不調を自覚し、精神科や心療内科を受診することへのハードルは、少しずつ下がってきているのではないでしょうか。

昔は「気の持ちよう」「我慢が足りない」と片付けられてしまい、治療につながらないまま無理を重ねてしまう人も多かったのではないかと想像します。現在は、早めに医療につながり、休職という形で一度立ち止まる選択が取られるケースが増えた、とも考えられます。

有名人やインフルエンサーが自身のメンタル不調を公表するようになったことも、社会全体の理解が進む一因になっているのかもしれません。「メンタル疾患は特別な人の病気ではなく、誰にでも起こりうるもの」という認識が広がっていくことは、とても大切なことだと思います。

とはいえ、病気そのものが辛いことに変わりはありません。私自身もうつ病を経験しているからこそ、メンタル不調に苦しむ人が少しでも減っていってほしいと、心から願っています。

閉鎖的な環境の弊害

今回のニュースを読んで感じたことの一つに、教職という仕事が持つ「閉鎖的な環境」があるのではないか、という点があります。

同じ学校、同じ教室という限られた空間で働き続けることで、外の世界との接点が少なくなり、新しい価値観や働き方に触れる機会が限られてしまうこともあるのではないでしょうか。

これは教職に限らず、民間企業でも、部署ごとの縦割り構造や業界特有の慣習などによって起こり得る問題だと思います。こうした環境では、「ここを辞めたら自分は通用しないのではないか」「逃げ場がない」と感じやすくなってしまいます。

しかし実際には、教職の方であれば説明力や対人スキルなど、他の分野でも活かせる力を持っているはずです。どの仕事であっても、培った経験が全く無駄になることはないと思います。

一つの狭い世界だけにとどまらず、外の世界とどれだけつながれているかも、メンタルヘルスを保つ上では重要な視点なのではないでしょうか。

どうやって各個人で身を守るか?

メンタル不調を完全に防ぐことは難しいですが、最終的に自分の身を守れるのは自分自身だと、私は感じています。個人が組織全体を変えようとするには限界がありますし、特に大きな組織ほど変化には時間がかかります。

その前提の上で、私自身の経験から大切だと思うことをいくつか挙げてみます。

  • 早めに医療機関に相談する
    メンタル不調を感じたら、できるだけ早く専門家に相談することが大切です。症状が軽いうちに対応できれば、回復までの時間も短く済むことがあります。
  • 信頼できる人に頼る
    辛いときほど一人で抱え込みがちですが、誰かに話すことで状況が整理されたり、新しい選択肢が見えてくることもあります。
  • 職場は人生の責任までは取ってくれない
    職場は仕事をする場所であり、人生そのものを守ってくれる存在ではありません。心や体を壊してまで続ける必要がある仕事は、決して多くないと思います。

まとめ

教員のメンタル不調による休職者増加というニュースは、決して他人事ではありません。仕事の質と量の増加、閉鎖的な環境、そして社会全体の変化が重なり、多くの人が心に負担を抱えやすい時代になっていると感じます。

だからこそ、「頑張り続けること」だけが正解ではなく、立ち止まることや逃げることも、大切な選択肢の一つとして認められる社会になってほしいと思います。

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