うつ病からの社会復帰は“焦らない”ことがカギだった
私は会社員時代にうつ病を患い、何度も休職と復職を繰り返しました。その当時を振り返ると、私はいつも「焦っていた」と感じます。
「早く復職しなければ、職場に居場所がなくなる」
「このまま引きこもりのような生活を続けていたら、どんどんダメになってしまう」
そんな思いから、「早く社会復帰しなければ」と焦り続けていました。
しかし、その焦りが原因で、さまざまなことをうまく運べず、失敗を重ねてしまったのです。今回は、そんな私自身の経験をもとに、「焦らずに社会復帰を目指すために大切なこと」をお伝えできればと思い、このブログを書くことにしました。
焦る気持ちは、なぜ起きるのか?

では、私の場合、なぜ社会復帰を焦っていたのかという気持ちをご紹介します。
早く復帰しなければならない
私は大人になったら「働くことが当たり前」と思っていました。なので、鬱病になって会社を休職している状態というのは「ありえない」状況だったわけですね。ただ、世の中を見回すと闘病で働けない人もいますし、働かない選択肢を選ぶ方も当たり前にいます。でも、病気になって視野が狭くなった私は「自分の考えが当たり前」という感じになっていました。結果として、当たり前として「早く復帰しなければならない」という気持ちが強くなってしまいました。
周囲との比較で生まれる劣等感
世の中の多くの人や学生時代の友人など、周りの人たちは日々働いてスキルやキャリアを高めていました。しかし、私は病気になって停滞している。この比較がたまらなく辛かったです。自分のせいで病気になった訳ではないのに、すごく悔しい気持ちと自分が劣っているという感情がありました。なので、早く社会復帰して、少しでも仕事する上での実力を高めたいと思っていました。
休職制度による制限
会社の休職制度というのは社規則によって違ってくると思います。その社規則で一番気になったのは「休職期間」でした。休職期間が満了となると退職になる制度でしたので、その期間中に復職する必要がありました。また、傷病手当金という制度がありまして(給与の6割程度が病気で休業中の人に支給される制度)、こちらの期間は1年6か月なんですね。なのでこの期間を過ぎると「無給」になってしまいます。なので早く復職しなければヤバいという感情もありました。
焦って失敗した体験談(失ったもの・気づいたこと)

そんな焦りから早期に復職をして、以下のような失敗をしてしまったことがあります。
対人恐怖が残っていて、ストレスが爆増
私は鬱病になったときに、対人恐怖症のような症状が出てしまいました。他人にどう思われるのか怖くなってしまったんですね。なので、引きこもりがちな生活を送ったり、職場近くには行けない状況になっていました。しかし、休職期間的に早く復職したほうがいいなどの判断から復職した結果、すごくしんどかったです。職場というのは多くの人がコミュニケーションを取りながら仕事を進めていきます。そのような場所で対人恐怖が残っていると、日々のストレスがどんどん大きくなるんですね。結果として、職場でのコミュニケーションがうまく取れずにストレスに対処が出来ず、最終的に再休職になりました。
焦りから頑張りすぎて体調悪化
復職したとき「よし、今日からまたスキルやキャリアを積み上げていける」と思いました。なので、仕事だけでなく資格の学習などを日々行っていました。しかし、会社に通うだけでもしんどい時期に、さらに自分を追い込むようなことをすると疲労感が高まっていきます。しかし、その疲労感を見ないようにして何とか仕事に勉強にと頑張りすぎていました。結果として、うつ症状が悪化しやすくなり、会社を休みがちになったりもしました。
結局再発するというループ
上述したようなこと(それ以外もありますが、文章量の都合カット)が様々重なると、結局うつ病が再発していました。朝から布団から起き上がれず、絶望感から泣くような日々でした。そうなると職場には行けないですし、仕事も十分にはできなくなります。そして再休職する。そういった負のループに陥っていました。
「焦らない復帰」のために必要だった考え方の転換

ではそんな「焦り」がある中で、どうやって「焦らない復帰」をできるようになったのか、ご紹介したいと思います。
自主的なリハビリでは限界を感じてリワークに通った
私は最初のころ、リワーク(復職を支援するプログラム。行政や病院などが開催している)に通っていませんでした。なんとなくリワークは病気の重い人が沢山いて、なんとなく怖いところという偏見があったんですね。しかし、休職を繰り返す中で自分だけのリハビリでは限界を感じました。コミュニケーション面を改善したり、第三者目線からのアドバイスが無く社会復帰までの必要なスキルが身に付いていませんでした。このため、カウンセラーの勧めもあってリワークプログラムに参加しました。プログラム内容をきっちりと過ごす中で「焦らずに、じっくりとリハビリすること」が大切なのだと自覚できました。
病気の知識を蓄えて、症状の波が大事だと実感した
うつ病や双極性障害の気分障害には体調の「波」があると言われています。体調が良い期間の後に、ぐっと体調が悪くなる期間が波のように押し寄せてくるんです。回復していくと、この波の深さや期間が安定していって良くなると言われています。過去の私は、休職して早く復職したわけですが、そのタイミングではまだ「不調の波」が押し寄せてくる可能性があったんですね。なので、体調の波を理解し今の自分の状態を理解しながら、体調管理をしていくことが本当に大事ということに気付きました。
回復のスピードは人それぞれだと理解できたから
うつ病の回復期間は人によって違います。数か月で回復し再発しない人もいれば、私のように10年以上病気と付き合っている人も沢山います。回復のスピードや再発の度合は人によって違うんです。なので「SNSで見たあの人は数か月で治った」だとか「芸能人の○○さんは、半年で復帰した」だとかありますが、それがご自身に当てはまらないことが滅茶苦茶あるんです。なので、病気の治療期間は人によって違う。この認識が出来てからは焦りがマイルドになりました。
焦らずに取り組んだこと

では、最後に焦らずに取り組んだことを、もう少し具体的にご紹介したいと思います。
生活リズムの立て直しと体力UP
仕事をしていく上で大切なことは、毎日ある程度安定して職場に行けることです。そして職場では一日8時間以上(フルタイム勤務の場合)働くことになるので、かなりの体力・気力が必要です。しかし、メンタル疾患で引きこもっていたり、リハビリが不十分だと体力が足りないんですね。なので生活リズムを整えながら、体力をつけることが本当に大事でした。日々の散歩などの運動だけでなく仕事で使う体力(私の場合、長時間パソコン操作をしたり、会議に参加したり)をつけることにしました。生活リズムや体力アップはリワークに通うと自然と身に付くと思うので、リワークに通うこともお勧めします。
時短通勤制度の活用
私が勤めていた会社には「時短勤務」制度がありました。復職後の一定期間はフルタイムではなく、半日や6時間勤務を選択することが出来たんですね。この制度が非常にありがたかったです。なぜなら、職場復帰直後は非常にストレスを感じて疲れやすいです。そんな時期に時短勤務をしながら徐々に職場に慣れていくことができるんですね。このため、もし、時短勤務のような会社の制度があったら活用していきましょう!私の場合は給与が労働時間の分が減りましたが、長期的に安定して働けることにつながりました。
心理療法やストレス対処方法を日々の中でコツコツ使う
ストレスを軽減したり、鬱症状を軽くするには色んな方法があります。認知行動療法をやったり、日々の生活に運動を取り入れたり。これらのストレス対処方法は、日々の中で活用していないと、いざというときに使えないんですね。たとえば、散歩がストレス解消に効果的な人にとっては、散歩を習慣にしていれば問題ありません。しかし、その習慣が途切れてしまうと、再び始めるのが億劫になることがあります。なので、身に付けたストレス対処を日々の中でコツコツ使って、習慣づけることが本当に大事でした。
まとめ
- 焦って復職を急いだことで再発を繰り返す悪循環に陥った
- リワークや知識習得を通じて「焦らず回復する」ことの大切さを実感
- 回復には個人差があり、無理せず自分のペースで進めることが重要


